今様の浮世絵版画を創作する #2

 

2007年6月261(初稿)、2008年11月2日(改訂第2版)

色彩芸術論の専門家として・・・(多元芸術作家・国画会版画部会員) いわた・きよし

色彩心理学・色彩物理学・色彩工学の専門家として・・・(株)イソップ代表取締役 岩田

 

 私の木版画やアルゴリズム(algorithm)版画、そして、ビデオアートやアルゴリズム動画を永久収蔵している世界の著名な美術館が、私の「芸術活動の原点である」として、独占収蔵を狙っている、私が16歳(1957〜58年)のときに描きまくった水彩画シリーズの内の一枚をベースにして、それからの50年間に蓄積した知的財産を総結集し、「今様の浮世絵版画」を創作しました。 #2では、縦型の画面、静物画、かつ、「十二ヶ月色彩循環」を採り上げてみました。

 

    

花瓶酒瓶#16 一月              花瓶酒瓶#16 二月

 

    

花瓶酒瓶#16 三月              花瓶酒瓶#16 四月

 

    

花瓶酒瓶#16 五月              花瓶酒瓶#16 六月

 

    

花瓶酒瓶#16 七月              花瓶酒瓶#16 八月

 

    

花瓶酒瓶#16 九月                 花瓶酒瓶#16 十月

 

    

花瓶酒瓶#16 十一月             花瓶酒瓶#16 十二月

 

 

私が、2007年4月に、「今様の浮世絵版画を創作する#1」で紹介した「二十四節気色彩循環」が、私の予想を遥かに超えた反響を呼んでいる様子なので、その続編を書いてみました。

 

「二十四節気色彩循環」とは、

一枚の原画(当ページでは「花瓶酒瓶#16」)をベースにして、色相を15度刻みで変えて行くと同時に、春分と秋分が同じ明るさで、夏至が最も明るく、冬至が最も暗くなるように表現することによって、季節感溢れる24枚の色変わりから成る組画像を得る手法、及び、組画像そのものを指す言葉です。

 この手法が、良好に季節感を出すところに着目して、この手法を開発した私自らが、「二十四節気色循環」と名付けました。

 

「今様の浮世絵版画を創作する#1」で、既にご紹介している「十二ヶ月色彩循環」を拡張した手法が「二十四節気色彩循環」です。 従って、「十二ヶ月色彩循環」「二十四節気色彩循環」は、組を成す画像数の半分の数だけ離れた二枚の画像は、必ず「色相補色」になっています。

 彩度は不変です。 明度は季節毎の一定時刻(例えば、午後3時ならば、全てが午後3時)の照度(明るさ)に準拠していますので、この「色循環補色」は、銀塩写真で言うネガとポジの関係を成していません。 念のため。

 

 色相の季節変化は、赤⇒黄⇒緑⇒青とするか、赤⇒紫⇒青⇒緑とするかで、受ける印象が全く変わってしまいます。

 この、ベースにする画像の、最適な色の並びが、赤⇒黄⇒か、赤⇒紫⇒か、を決定する目的に沿って、 とりあえず、明度を無視して、 ベース画像を基に、各々が90度ずつ離れた4枚の組画像を作成します。

 これによって、まず、春夏秋冬を決定するのです。

 当書類では、季節感が出やすい戸外ではなく、 敢て! 室内静物画で、 これを実践してみました。

 

 原画は、1957年1月17日に制作した水彩画、一部コンテとパステル使用の「花瓶酒瓶#16」です。

 この原画をスキャンして4通りの画像データを得ます。 この時点では、まだ、どれが春になるかは未定です。

 

    

色相無変換。「春」。   色相90度変換しただけ。 「夏」のイメージではない。。

 

    

色相180度変換。「秋」。 色相270度変換しただけ。「冬」のイメージではない。

 

    

前ページのまま、「春」。          明度を上げて、「夏」

 

    

前ページのまま、「秋」。              明度を下げて、「冬」

 

 このようにして、「四季」が完成します。

 

 「12ヶ月色循環」は、この4枚を「四月」「七月」「十月」「一月」あるいは「三月」「六月」「九月」「十二月」に当てます。 そして、残る月を、色相30度刻みで、明度も調整しながら完成させて行きます。

 

 「二十四節気色循環」の基準の4枚は、当然、「春分」「夏至」「秋分」「冬至」です。

 

 原画を一部あるいは全部CG修正もしくはCG追い描きした上で、「四季色循環」「12ヶ月色循環」「24節気色循環」するほうが効果的な場合もあります。

    

「花瓶酒瓶#16」四季色循環2007のベース画像    修正済みの、「花瓶酒瓶#16」四季色循環2007「夏」

 「花瓶酒瓶#16」四季色循環2007の場合は、ベース画像が、「夏」の色相として採用されたため、仕上がった「夏」は、右の画像のように明度が上がりました。

 

 このようにして、生き物が何一つ描かれていない静物画の「12ヶ月色循環」及び「二十四節気色循環」は、ひとまず完成します。

 

「今様の浮世絵版画を創造する」で紹介している「ごあいさつ」のように、人物がいたり、花木・草花が画面に存在する場合は、 どうしても、一部分を「手仕事」で、マウスやスタイラスペンを使って描かねばなりません。

 

 この場合は、原画が何時ごろ制作されたのかが問題になります。

 「花瓶酒瓶#16」や「ごあいさつ」の原画は、私がまだ16才のときのものですから、この50年前の素朴さと50年という時間の重みに対しては、マウスのぎごちない動きがピッタリなのです。

 ここで、スタイラスペンを使って、写真のように綺麗に仕上げれば、美術作品としては恐らく失敗でしょう。

 

 ここのところを「美術」として捉えることが出来れば、「今様の浮世絵版画」は・・・、

 

    

上の画像、「花瓶酒瓶#16」POP版「白露」のように、ポップアート風「二十四節気」に仕上げることも・・・、上の画像「花瓶酒瓶#16」クラシック版「春分」のように、クラシック風「二十四節気」に仕上げることも自由自在です。  「四季色循環」「12ヶ月色循環」「二十四節気色循環」は、 これから美術作家を目指す者にとって、斬新な表現手段になると、私は確信しています。

 

 

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